ヘビロテ日記 第56回 『Boston』
Boston / Boston
幻想飛行 / ボストン
1976年

01. More Than a Feeling
02. Peace of Mind
03. Foreplay/Long Time
04. Rock & Roll Band
05. Smokin'
06. Hitch a Ride
07. Something About You
08. Let Me Take You Home Tonight
9月になってしまいました。「自己満足ブログ」として保険をかけて始めた当ブログですが、早や2年が経ちます。2012年8月27日に第一投を投入したらしいのでちょうど丸2年ってことです。相変わらず「自己満足」の域を脱してないのですが、三日坊主の私がよくぞここまで続いたなと(苦笑)
特に今年に入ってからの更新頻度はぐっと下がってしまい、ほとんど月1~2更新になったりしてますが、あくまでも忙しさにかまけてと理由付けたりしながら、とりあえずは飽きることもなく、プレッシャーを感じることもなくマイペースで更新できてるんじゃないかと思います。
いつ更新されるかもわからないし、たまに更新されたかと思うとアホみたいに書きなぐった長文駄文の記事が…、なんて状況にも関わらず、当ブログをご訪問いただき、中にはコメントまでいただける方もいらっしゃって、本当に感謝しております。たとえ全文読まれなくとも、少しでも…ほんのワンフレーズにでも反応してくださって、話題が共有できるってのは嬉しいものですね。賛同も反論も大歓迎です。内容と関係ない話も嬉しいです。
今回は、もともと本ブログのメインであるはずの 「ヘビロテ日記」、久々の更新となります。今年2月の 「Y&T」 以来なんと約7ヶ月ぶりとなります。
以前の更新ペースに戻れるかどうかはその時次第。だらだら長い文を書いていくスタンスは今後も変わらないと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。このボストンの場を借りてお礼申し上げます(笑)
でそのボストン…10月に来日すると言うことは散々書いてきてるのですが、まだまだ当分先のことって思ってたら、あと1ヶ月なんですね。と言うか、名古屋公演はちょうど1ヶ月後みたいです。なんだか月日が流れるのが高速です。
というワケで、ボストンのCDを引っ張り出してきてしばらくヘビロテしてたんですけどね、CDはたったの5枚しか持っていませんでした。それもベストアルバムを含めて。レコードは当時3枚くらいしか買っていないと思います。定かではないのですが、経緯をこじつけてやるとしたら、1997年にベストアルバムの 『Greatest Hits』 が出た時に過去作をCDで買い直していったんだと思います。よくあるパターンですから(笑)
私がボストンを初めて聴いたのは、たしか高校生の頃。ディープ・パープルやレインボー(もちろんKISSも)を聴くかたわら、初期のクィーンを含めた、ハードロック寄りのレコードを雑多にレンタルしてた頃。既発だった1stと2ndアルバムを後追いで聴いたと思います。1976年の 『Boston(幻想飛行)』 と1978年の 『Don't Look Back』。

久しぶりに今回聴いてみて、曲をよく覚えてたことに我ながら関心してしまいました。ってことは当時も結構聴き込んでいたんでしょうね。人ごとのようでスミマセン(笑)まぁどの曲も非常に覚えやすいメロディで構成されてるんで当時聴いてれば当然と言えば当然なんですけどね。
ただし覚えていたのは最初の2枚だけで、3rdアルバム以降はほとんど覚えていませんでした。こと3rdについては全くと言っていいほど。どれも初めて聴くような曲ばかりで(笑)3rd以降はなんとなく勢いみたいなのが薄れた感があります。曲の良し悪しではなく、弾けるような勢いかな…。私がボストンをあくまでもハードロックとして聴いてたからってこともあるのでしょう。
でもせっかくライヴを観に行くと言うのに、知らない曲があるのはもったいない…、知ってる曲ばかりの方がライヴをより楽しめるんです。ネタバレを嫌う人が多い中、私はセトリ予習を万全にしておきたい性分ですから。
これはマズいってことで、この機に持っていないアルバムも補間しておくことにしたんです。昨年末に出ていた 『Life, Love & Hope』 とその前作、2002年の 『Corporate America』 を購入。これでボストンの全アルバムをコンプリートしました。なんて大仰なこと書いてますが、ベストアルバムを含めて全7枚、1976年のデビュー以来、38年間でたったこれだけだそうです(笑)

どうしてそんなにノロいのか…なんてことは割愛しますが、実はボストンの表の顔(声)とでも言えるボーカルのブラッド・デルプは、2007年に他界してるんですよね。自殺だったと言われていますが、来日公演でブラッドの歌が聴けないのはとても残念です。6枚目になるこのアルバムで、新加入のトミー・デカーロの歌が聴けるのですが、まだよく聴き込んでいません。「やっぱり違うな」ってのが第一印象でした。厳密に言うと、1994年の4thアルバム 『Walk On』 のボーカルもブラッドではありませんね。
38年もの間、一度も解散することなく…、まぁ解散するも何もボストンってのはトム・ショルツって人の完全ソロ・プロジェクトですからね。この人がボストンの名の下にアルバムを作りさえすれば、それが如何なる内容のものであっても成立するってことですね。言わば日本のSuperflyやT.M.Revolutionみたいなものですね。合ってます?
いえ、全然違いますね(笑)ソングライティングから楽器の演奏、レコーディングの工程を全て(ほとんど)トム・ショルツ一人でやってのけてるワケなので、どちらかと言えばポール・マッカートニーのソロアルバムに近いかも知れませんね。ただしトム自身は歌わず、ボーカルとコーラスパートの人声部分はブラッド・デルプが全て担ってます。あと、ドラムパートや一部のギターにバンドメンバーを起用しているようですね。
こう書いてると、結局のところトム一人じゃないじゃないかってことになりますが(笑)すごいのはリズムトラックにベースラインを乗せ、幾重にも重ねられたギターとキーボードを一人多重録音してるってところ。ボーカルやあの分厚いコーラスパートもブラッド・デルプ一人の声を多重録音して積み上げてるんですよね。そこにバンドメンバーによって "なぞられた” ドラムパートなんかを、トムは一人でミックス作業してるってことです。
"なぞられた” と書いたのは、もともとのデモテープではトム自身がドラムも叩いていて、バンドのドラマーはそれを忠実に再現してるだけってことらしいです。私はそう解釈しました。今でこそ分厚い音の積み重ねは、コンピューターの力を借りて比較的容易に作り出せるのかも知れませんけど(もちろんプロレベルの話です)、膨大な時間をかけてほとんどトムが手作業で作りあげてるってところがすごいんですね。
こんな知ったげなこと書いてますけど、当然ウケウリです。それもかなり生半可な(笑)BS-TBSの 「SONG TO SOUL」 やらWikipediaやらの。詳しくはそちらをご参照ください(笑)「SONG TO SOUL~永遠の一曲~」 では先月 「宇宙の彼方へ」 が放送されました。
当時…初めてボストン聴いた頃はそんなことツユ知らずで、非常にアナログチックな(レコードなんで当然ですが)バンドサウンドにしか聴こえなかったですよね。当時はクィーンあたりも一緒くたにして聴いてましたが、クィーンや、プログレバンドなどとは違ってそれほど綿密に時間をかけて作りこんでる印象ではなかったですね。バンドだと思ってましたから。
クィーンの初期作でもおなじみの 「No Synthesizers」 なんてのが思わせぶりにボストンのアルバムジャケにも記されてるんですよね。まぁクィーンと違ってボストンの初期作にシンセが使われてるなんてハナから考えなかったですけどね。加えて 「No Computers Used」 なんてのも書かれてたってことに当時私は気付いてたかどうか…、たとえ気付いてたとしても「なんのこっちゃ」だったろうと思います。なぜなら当時コンピューターと言えば、YMOなどのピコピコテクノサウンドくらいしか思いつきませんでしたから。そんなこと断わられるまでもないって(笑)
先述のウケウリ続きですが…、多重録音をする上で不可欠であるはずのリズムボックスを使わず、なんと手拍子でリズムトラックを作ってるらしいです。それによって各パートに微妙なズレが生じるってことですよね。意図してのことなのか、それであたかもバンドで演奏してるようなニュアンスを出してるってことなんですね。
こう言う事情ってのは、しっかり伝えてもらわないとなかなか気付かないですよね。ロックを聴く上でそんなことは大して重要じゃないって頃でしたから。カッコよければ良いって単純な性格でしたし…いや現在進行形ですけど(笑)でもそれを知ることで驚嘆するわけですね。信じられなかったですもの。ついでに 「No Rhythm Box Used」 って明記しておきべきですね。それこそ当時の私は「なんのこっちゃ」だったでしょうけど(笑)
話を元に戻しまして、今回一応全アルバムをローテーションしてたんですが、どうにも1stのローテ率が高いんですよ。1→2→1→3→1→4→1…みたいな感じ(笑)とにかく1stアルバムが爽快なんです。
当時はTOTOやらジャーニーやらフォリナーなど、イエスやレインボーでさえも「産業ロック」なんてのにカテゴライズされた時代でもありました。そんな中、ボストンはその名の通りアメリカンなハードロックの印象でした。ポップでキャッチーなメロディ、適度にハードなギターリフに重厚なキーボードとコーラス。
「アメリカン・プログレ・ハード」なんてジャンルが存在するようですが、個人的に1stや2ndを聴いた限りでは、TOTOやジャーニーは感じられないです。それより初期のドゥービー・ブラザーズみたいなサウンドって方がピンとくる気がします。曲によってはクィーンやユーライア・ヒープあたりも彷彿させます。あくまで私の聴いた感想ですけどね。
2曲目の [Peace of Mind]、それから4曲目 [Rock & Roll Band] から 5曲目 [Smokin'] の流れが秀逸で、そんなことを感じさせるんだと思います。良質なハードロックでとにかくカッコいいんです。アルバムの製作工程がどうとかどうでも良いって感じです。先述のバンド例以外にもギターリフのトーンとかなぜかシン・リジィなんかも連想したりして。
このライヴ動画の [Rock & Roll Band] はちょっとゆったりしてますね。オリジナルの方がドライヴ感あって好きです。上の曲名部分にリンク張ってます。
ハードロックンロール系のどの曲にも言えそうですが、すんなりと爽快に聴き通せるため、一聴してオーソドックスに聴こえがちですが、短い中に陰と陽…マイナー調とメジャー調が同居しているって言うか、一辺倒には行かない感が心地良いんです。うまく表現できませんけど。
[Peace of Mind] のイントロだとか、[Rock & Roll Band] のこれでもかってほどに引きずっていくサビだとか、[Smokin'] 意表をつかれる間奏のオルガンソロとか。ブラッドの重厚な一人コーラスも鳥肌モノですし、ブレイクを多様した(これはトムの趣味?)跳ねるドラムも凄くカッコいいです。
聴きながら唐突に思ったのですが、X(X Japan)ってボストンの影響を多分に受けてるんじゃないでしょうか。特にhideの作るポップなアメリカン・ロックンロール系のナンバー。hideのソロナンバーでもそう感じるのですが、多重録音のギターリフの組み立て方やトーンにそれを感じます。あ、今回は逆にボストン聴いてて「hideのギターみたい」って思ったワケですけど(笑)
3曲目の [Foreplay/Long Time] も陰と陽…、なぜか2曲くっついてクレジットされてますが、なんの関連性もなさそうです(笑)[Long Time] の方は典型的なアメリカンロックですが、前の [Foreplay] はプログレって言うか、モロにユーライア・ヒープだと思ってしまいます。
1曲目の [More Than a Feeling(宇宙の彼方へ)] は、その邦題やジャケットアートが示す通りの壮大でスペーシーな(でもアナログな)、「産業ロック」などと称されたのはこの曲のおかげ(せい?)と言っても過言ではないようなボストンの代表曲ですが、それ以上に2曲目以降に散りばめられているハードロックナンバーの方がボストンらしいと思ったりしてます。
先ほどクィーンを彷彿させるなんて書きましたが、6曲目の [Hitch a Ride] なんてフレディ・マーキュリーが歌っても似合うんじゃないかと思うほどクィーンぽい曲だと思います。おかげで次の7曲目 [Something About You] までクィーンに聴こえてくる始末。いや全然違いますけどね(笑)
余談ですが、2ndアルバム収録のバラード曲 [A Man I'll Never Be] (一応リンク張っときます) に至ってはフレディが歌ってると錯覚してしまうほど…私だけですか(笑) フレディ亡きあと、ぜひとも 「クィーン+ブラッド・デルプ」 なんてのを観てみたかったですが、それも無理でしたね(泣)
最後はバラードっぽい [Let Me Take You Home Tonight] で幕を閉じますが、ベタなバラード然とはしてなくて、爽やかだし結構リズミカルでとても聴きやすい曲ですね。
こんな感じでアルバム1枚通して非常に聴きやすいアルバムだったりします。統一感があるようで、結構バラエティに富んでたりして。1曲1曲、1枚1枚のアルバムにかける膨大な時間と労力を考えると、少なくともトム・ショルツから言わせてみれば本来の「産業ロック」の定義とはかけ離れていますよね。真逆と言っても過言ではない気がします。広く音楽性を指した言葉としてはなんとなく当てはまるかも知れませんけどね。
ボストンのスゴいところは、そんなことを意識せずとも、楽曲や歌の素晴らしさ、演奏のカッコよさは抜きん出てるわけですし、制作に関わる苦労を微塵も感じさせないところにあるような気がします。プログレとは違って肩肘張らずに楽しめる良質のロックだと思います。
My Favorite...
01. More Than a Feeling
02. Peace of Mind
04. Rock & Roll Band
05. Smokin'
06. Hitch a Ride
...and all
幻想飛行 / ボストン
1976年

01. More Than a Feeling
02. Peace of Mind
03. Foreplay/Long Time
04. Rock & Roll Band
05. Smokin'
06. Hitch a Ride
07. Something About You
08. Let Me Take You Home Tonight
9月になってしまいました。「自己満足ブログ」として保険をかけて始めた当ブログですが、早や2年が経ちます。2012年8月27日に第一投を投入したらしいのでちょうど丸2年ってことです。相変わらず「自己満足」の域を脱してないのですが、三日坊主の私がよくぞここまで続いたなと(苦笑)
特に今年に入ってからの更新頻度はぐっと下がってしまい、ほとんど月1~2更新になったりしてますが、あくまでも忙しさにかまけてと理由付けたりしながら、とりあえずは飽きることもなく、プレッシャーを感じることもなくマイペースで更新できてるんじゃないかと思います。
いつ更新されるかもわからないし、たまに更新されたかと思うとアホみたいに書きなぐった長文駄文の記事が…、なんて状況にも関わらず、当ブログをご訪問いただき、中にはコメントまでいただける方もいらっしゃって、本当に感謝しております。たとえ全文読まれなくとも、少しでも…ほんのワンフレーズにでも反応してくださって、話題が共有できるってのは嬉しいものですね。賛同も反論も大歓迎です。内容と関係ない話も嬉しいです。
今回は、もともと本ブログのメインであるはずの 「ヘビロテ日記」、久々の更新となります。今年2月の 「Y&T」 以来なんと約7ヶ月ぶりとなります。
以前の更新ペースに戻れるかどうかはその時次第。だらだら長い文を書いていくスタンスは今後も変わらないと思いますが、今後ともどうぞよろしくお願いします。このボストンの場を借りてお礼申し上げます(笑)
でそのボストン…10月に来日すると言うことは散々書いてきてるのですが、まだまだ当分先のことって思ってたら、あと1ヶ月なんですね。と言うか、名古屋公演はちょうど1ヶ月後みたいです。なんだか月日が流れるのが高速です。
というワケで、ボストンのCDを引っ張り出してきてしばらくヘビロテしてたんですけどね、CDはたったの5枚しか持っていませんでした。それもベストアルバムを含めて。レコードは当時3枚くらいしか買っていないと思います。定かではないのですが、経緯をこじつけてやるとしたら、1997年にベストアルバムの 『Greatest Hits』 が出た時に過去作をCDで買い直していったんだと思います。よくあるパターンですから(笑)
私がボストンを初めて聴いたのは、たしか高校生の頃。ディープ・パープルやレインボー(もちろんKISSも)を聴くかたわら、初期のクィーンを含めた、ハードロック寄りのレコードを雑多にレンタルしてた頃。既発だった1stと2ndアルバムを後追いで聴いたと思います。1976年の 『Boston(幻想飛行)』 と1978年の 『Don't Look Back』。

久しぶりに今回聴いてみて、曲をよく覚えてたことに我ながら関心してしまいました。ってことは当時も結構聴き込んでいたんでしょうね。人ごとのようでスミマセン(笑)まぁどの曲も非常に覚えやすいメロディで構成されてるんで当時聴いてれば当然と言えば当然なんですけどね。
ただし覚えていたのは最初の2枚だけで、3rdアルバム以降はほとんど覚えていませんでした。こと3rdについては全くと言っていいほど。どれも初めて聴くような曲ばかりで(笑)3rd以降はなんとなく勢いみたいなのが薄れた感があります。曲の良し悪しではなく、弾けるような勢いかな…。私がボストンをあくまでもハードロックとして聴いてたからってこともあるのでしょう。
でもせっかくライヴを観に行くと言うのに、知らない曲があるのはもったいない…、知ってる曲ばかりの方がライヴをより楽しめるんです。ネタバレを嫌う人が多い中、私はセトリ予習を万全にしておきたい性分ですから。
これはマズいってことで、この機に持っていないアルバムも補間しておくことにしたんです。昨年末に出ていた 『Life, Love & Hope』 とその前作、2002年の 『Corporate America』 を購入。これでボストンの全アルバムをコンプリートしました。なんて大仰なこと書いてますが、ベストアルバムを含めて全7枚、1976年のデビュー以来、38年間でたったこれだけだそうです(笑)

どうしてそんなにノロいのか…なんてことは割愛しますが、実はボストンの表の顔(声)とでも言えるボーカルのブラッド・デルプは、2007年に他界してるんですよね。自殺だったと言われていますが、来日公演でブラッドの歌が聴けないのはとても残念です。6枚目になるこのアルバムで、新加入のトミー・デカーロの歌が聴けるのですが、まだよく聴き込んでいません。「やっぱり違うな」ってのが第一印象でした。厳密に言うと、1994年の4thアルバム 『Walk On』 のボーカルもブラッドではありませんね。
38年もの間、一度も解散することなく…、まぁ解散するも何もボストンってのはトム・ショルツって人の完全ソロ・プロジェクトですからね。この人がボストンの名の下にアルバムを作りさえすれば、それが如何なる内容のものであっても成立するってことですね。言わば日本のSuperflyやT.M.Revolutionみたいなものですね。合ってます?
いえ、全然違いますね(笑)ソングライティングから楽器の演奏、レコーディングの工程を全て(ほとんど)トム・ショルツ一人でやってのけてるワケなので、どちらかと言えばポール・マッカートニーのソロアルバムに近いかも知れませんね。ただしトム自身は歌わず、ボーカルとコーラスパートの人声部分はブラッド・デルプが全て担ってます。あと、ドラムパートや一部のギターにバンドメンバーを起用しているようですね。
こう書いてると、結局のところトム一人じゃないじゃないかってことになりますが(笑)すごいのはリズムトラックにベースラインを乗せ、幾重にも重ねられたギターとキーボードを一人多重録音してるってところ。ボーカルやあの分厚いコーラスパートもブラッド・デルプ一人の声を多重録音して積み上げてるんですよね。そこにバンドメンバーによって "なぞられた” ドラムパートなんかを、トムは一人でミックス作業してるってことです。
"なぞられた” と書いたのは、もともとのデモテープではトム自身がドラムも叩いていて、バンドのドラマーはそれを忠実に再現してるだけってことらしいです。私はそう解釈しました。今でこそ分厚い音の積み重ねは、コンピューターの力を借りて比較的容易に作り出せるのかも知れませんけど(もちろんプロレベルの話です)、膨大な時間をかけてほとんどトムが手作業で作りあげてるってところがすごいんですね。
こんな知ったげなこと書いてますけど、当然ウケウリです。それもかなり生半可な(笑)BS-TBSの 「SONG TO SOUL」 やらWikipediaやらの。詳しくはそちらをご参照ください(笑)「SONG TO SOUL~永遠の一曲~」 では先月 「宇宙の彼方へ」 が放送されました。
当時…初めてボストン聴いた頃はそんなことツユ知らずで、非常にアナログチックな(レコードなんで当然ですが)バンドサウンドにしか聴こえなかったですよね。当時はクィーンあたりも一緒くたにして聴いてましたが、クィーンや、プログレバンドなどとは違ってそれほど綿密に時間をかけて作りこんでる印象ではなかったですね。バンドだと思ってましたから。
クィーンの初期作でもおなじみの 「No Synthesizers」 なんてのが思わせぶりにボストンのアルバムジャケにも記されてるんですよね。まぁクィーンと違ってボストンの初期作にシンセが使われてるなんてハナから考えなかったですけどね。加えて 「No Computers Used」 なんてのも書かれてたってことに当時私は気付いてたかどうか…、たとえ気付いてたとしても「なんのこっちゃ」だったろうと思います。なぜなら当時コンピューターと言えば、YMOなどのピコピコテクノサウンドくらいしか思いつきませんでしたから。そんなこと断わられるまでもないって(笑)
先述のウケウリ続きですが…、多重録音をする上で不可欠であるはずのリズムボックスを使わず、なんと手拍子でリズムトラックを作ってるらしいです。それによって各パートに微妙なズレが生じるってことですよね。意図してのことなのか、それであたかもバンドで演奏してるようなニュアンスを出してるってことなんですね。
こう言う事情ってのは、しっかり伝えてもらわないとなかなか気付かないですよね。ロックを聴く上でそんなことは大して重要じゃないって頃でしたから。カッコよければ良いって単純な性格でしたし…いや現在進行形ですけど(笑)でもそれを知ることで驚嘆するわけですね。信じられなかったですもの。ついでに 「No Rhythm Box Used」 って明記しておきべきですね。それこそ当時の私は「なんのこっちゃ」だったでしょうけど(笑)
話を元に戻しまして、今回一応全アルバムをローテーションしてたんですが、どうにも1stのローテ率が高いんですよ。1→2→1→3→1→4→1…みたいな感じ(笑)とにかく1stアルバムが爽快なんです。
当時はTOTOやらジャーニーやらフォリナーなど、イエスやレインボーでさえも「産業ロック」なんてのにカテゴライズされた時代でもありました。そんな中、ボストンはその名の通りアメリカンなハードロックの印象でした。ポップでキャッチーなメロディ、適度にハードなギターリフに重厚なキーボードとコーラス。
「アメリカン・プログレ・ハード」なんてジャンルが存在するようですが、個人的に1stや2ndを聴いた限りでは、TOTOやジャーニーは感じられないです。それより初期のドゥービー・ブラザーズみたいなサウンドって方がピンとくる気がします。曲によってはクィーンやユーライア・ヒープあたりも彷彿させます。あくまで私の聴いた感想ですけどね。
2曲目の [Peace of Mind]、それから4曲目 [Rock & Roll Band] から 5曲目 [Smokin'] の流れが秀逸で、そんなことを感じさせるんだと思います。良質なハードロックでとにかくカッコいいんです。アルバムの製作工程がどうとかどうでも良いって感じです。先述のバンド例以外にもギターリフのトーンとかなぜかシン・リジィなんかも連想したりして。
このライヴ動画の [Rock & Roll Band] はちょっとゆったりしてますね。オリジナルの方がドライヴ感あって好きです。上の曲名部分にリンク張ってます。
ハードロックンロール系のどの曲にも言えそうですが、すんなりと爽快に聴き通せるため、一聴してオーソドックスに聴こえがちですが、短い中に陰と陽…マイナー調とメジャー調が同居しているって言うか、一辺倒には行かない感が心地良いんです。うまく表現できませんけど。
[Peace of Mind] のイントロだとか、[Rock & Roll Band] のこれでもかってほどに引きずっていくサビだとか、[Smokin'] 意表をつかれる間奏のオルガンソロとか。ブラッドの重厚な一人コーラスも鳥肌モノですし、ブレイクを多様した(これはトムの趣味?)跳ねるドラムも凄くカッコいいです。
聴きながら唐突に思ったのですが、X(X Japan)ってボストンの影響を多分に受けてるんじゃないでしょうか。特にhideの作るポップなアメリカン・ロックンロール系のナンバー。hideのソロナンバーでもそう感じるのですが、多重録音のギターリフの組み立て方やトーンにそれを感じます。あ、今回は逆にボストン聴いてて「hideのギターみたい」って思ったワケですけど(笑)
3曲目の [Foreplay/Long Time] も陰と陽…、なぜか2曲くっついてクレジットされてますが、なんの関連性もなさそうです(笑)[Long Time] の方は典型的なアメリカンロックですが、前の [Foreplay] はプログレって言うか、モロにユーライア・ヒープだと思ってしまいます。
1曲目の [More Than a Feeling(宇宙の彼方へ)] は、その邦題やジャケットアートが示す通りの壮大でスペーシーな(でもアナログな)、「産業ロック」などと称されたのはこの曲のおかげ(せい?)と言っても過言ではないようなボストンの代表曲ですが、それ以上に2曲目以降に散りばめられているハードロックナンバーの方がボストンらしいと思ったりしてます。
先ほどクィーンを彷彿させるなんて書きましたが、6曲目の [Hitch a Ride] なんてフレディ・マーキュリーが歌っても似合うんじゃないかと思うほどクィーンぽい曲だと思います。おかげで次の7曲目 [Something About You] までクィーンに聴こえてくる始末。いや全然違いますけどね(笑)
余談ですが、2ndアルバム収録のバラード曲 [A Man I'll Never Be] (一応リンク張っときます) に至ってはフレディが歌ってると錯覚してしまうほど…私だけですか(笑) フレディ亡きあと、ぜひとも 「クィーン+ブラッド・デルプ」 なんてのを観てみたかったですが、それも無理でしたね(泣)
最後はバラードっぽい [Let Me Take You Home Tonight] で幕を閉じますが、ベタなバラード然とはしてなくて、爽やかだし結構リズミカルでとても聴きやすい曲ですね。
こんな感じでアルバム1枚通して非常に聴きやすいアルバムだったりします。統一感があるようで、結構バラエティに富んでたりして。1曲1曲、1枚1枚のアルバムにかける膨大な時間と労力を考えると、少なくともトム・ショルツから言わせてみれば本来の「産業ロック」の定義とはかけ離れていますよね。真逆と言っても過言ではない気がします。広く音楽性を指した言葉としてはなんとなく当てはまるかも知れませんけどね。
ボストンのスゴいところは、そんなことを意識せずとも、楽曲や歌の素晴らしさ、演奏のカッコよさは抜きん出てるわけですし、制作に関わる苦労を微塵も感じさせないところにあるような気がします。プログレとは違って肩肘張らずに楽しめる良質のロックだと思います。
My Favorite...
01. More Than a Feeling
02. Peace of Mind
04. Rock & Roll Band
05. Smokin'
06. Hitch a Ride
...and all
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やっぱり一枚目!
- やっぱり一枚目!
こんばんは!
一応ボストンはデビューした時から知っていますが、
当時はトムのソロプロジェクトなんてことは、まったく
秘密にされていたので、普通にバンドだと思っていました。
というか秘密だったので、評論家の人でもバンドという前提で
文章を書いていましたから・・・。
トムのソロプロジェクトということがバレた?のは三枚目以降の
ことですかね、少なくともセカンドが出た時点では、まだバンド
だと言い張っていたはずです(笑)。
コンピューターもシンセも使っていないっていうのが、ボストンのウリ(トムのというべきですね)だったので、一枚目の3曲目を聴いて、友人たちとこれってシンセじゃないのか?と驚いていました。といっても中学生のことですから・・・(^_^;)。
そうそう確かボストンの音の説明って、当時はイースト・コーストとウエスト・コーストの融合というのだったと思います(多分・・・)。
きれいなコーラスが西海岸のバンドみたいだったということですね。
一応ボストンはデビューした時から知っていますが、
当時はトムのソロプロジェクトなんてことは、まったく
秘密にされていたので、普通にバンドだと思っていました。
というか秘密だったので、評論家の人でもバンドという前提で
文章を書いていましたから・・・。
トムのソロプロジェクトということがバレた?のは三枚目以降の
ことですかね、少なくともセカンドが出た時点では、まだバンド
だと言い張っていたはずです(笑)。
コンピューターもシンセも使っていないっていうのが、ボストンのウリ(トムのというべきですね)だったので、一枚目の3曲目を聴いて、友人たちとこれってシンセじゃないのか?と驚いていました。といっても中学生のことですから・・・(^_^;)。
そうそう確かボストンの音の説明って、当時はイースト・コーストとウエスト・コーストの融合というのだったと思います(多分・・・)。
きれいなコーラスが西海岸のバンドみたいだったということですね。
>バニーマンさん (Re: やっぱり一枚目!)
- >バニーマンさん (Re: やっぱり一枚目!)
こんばんは!
やはりそうでしたか…、私が初めてボストン聴いた時には
まだ3rdは発売されていなかったように記憶しています。
1stと2ndを聴いてハマったので3rdをオンタイムに購入した…
そんな経緯だと思うのですが、バンドと言う触れ込みだったんですね。
まぁ、わざわざそれを触れ込む必要もないと思いますが(笑)
おそらく制作サイドがバンドとプロのスタッフの仕事として
売り出す必要があったからでしょうね。
ウェストコーストを感じさせるのはやはりコーラスですよね。
ボストンのコーラスはクィーンよりもドゥービーを感じます。
テンポのよい曲ほどそう感じます。
面白いお話、ありがとうございました!
やはりそうでしたか…、私が初めてボストン聴いた時には
まだ3rdは発売されていなかったように記憶しています。
1stと2ndを聴いてハマったので3rdをオンタイムに購入した…
そんな経緯だと思うのですが、バンドと言う触れ込みだったんですね。
まぁ、わざわざそれを触れ込む必要もないと思いますが(笑)
おそらく制作サイドがバンドとプロのスタッフの仕事として
売り出す必要があったからでしょうね。
ウェストコーストを感じさせるのはやはりコーラスですよね。
ボストンのコーラスはクィーンよりもドゥービーを感じます。
テンポのよい曲ほどそう感じます。
面白いお話、ありがとうございました!
No title
- No title
foxxtaleさん、こんばんは。
BOSTONのライブ楽しみですね♪
僕は残念ながら参戦できませんが・・・。
BOSTON、僕は高校2年生の時にリリースされた「サード・ステージ」から入りました♪当時は8年振りの新作ということで巷は大騒ぎしてましたね!? シングル「アマンダ」も大ヒットしてましたし。アルバムも聴きまくりましたから今でも全曲メロディーは浮かんできますよ(笑)後に1st、2ndも購入してこちらも聴きまくりました♪キャッチーなメロディーにハードなギターリフ、重厚なキーボード&コーラスにハマッたものでした。コメント書いていたらなんだか聴きたくなってきました(笑)今から1st聴いてみようかな(笑)
BOSTONのライブ楽しみですね♪
僕は残念ながら参戦できませんが・・・。
BOSTON、僕は高校2年生の時にリリースされた「サード・ステージ」から入りました♪当時は8年振りの新作ということで巷は大騒ぎしてましたね!? シングル「アマンダ」も大ヒットしてましたし。アルバムも聴きまくりましたから今でも全曲メロディーは浮かんできますよ(笑)後に1st、2ndも購入してこちらも聴きまくりました♪キャッチーなメロディーにハードなギターリフ、重厚なキーボード&コーラスにハマッたものでした。コメント書いていたらなんだか聴きたくなってきました(笑)今から1st聴いてみようかな(笑)
>ぶらうん佐藤さん
- >ぶらうん佐藤さん
こんばんは!
BOSTON楽しみです。もう3週間きってしまいました。
ぶらうん佐藤さんは参戦されないんですね…残念です。
私はBOSTONを皮切りに、怒涛のライヴ参戦が始まります(^_^;)
本日モトリーの詳細発表もありましたしね…来年の話ですけど。
すみません、私ひとりがウカれてしまってm(_ _)m
私もその「サード・ステージ」からオンタイムで購入したのですが、
今回聴き直してみてもほとんど覚えてませんでした(苦笑)
いかに1stと2ndばかり聴いてたかを思い知らされました(笑)
今回3rdも素晴らしいアルバムだったんだと痛感した次第です。
ぜひ1stから聴き直してみてくださいね。
個人的には無人島アルバムな素晴らしいロックアルバムです(^ ^)
BOSTON楽しみです。もう3週間きってしまいました。
ぶらうん佐藤さんは参戦されないんですね…残念です。
私はBOSTONを皮切りに、怒涛のライヴ参戦が始まります(^_^;)
本日モトリーの詳細発表もありましたしね…来年の話ですけど。
すみません、私ひとりがウカれてしまってm(_ _)m
私もその「サード・ステージ」からオンタイムで購入したのですが、
今回聴き直してみてもほとんど覚えてませんでした(苦笑)
いかに1stと2ndばかり聴いてたかを思い知らされました(笑)
今回3rdも素晴らしいアルバムだったんだと痛感した次第です。
ぜひ1stから聴き直してみてくださいね。
個人的には無人島アルバムな素晴らしいロックアルバムです(^ ^)
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