Char @ BLUE LIVE 広島 2014.3.9
相変わらずの “亀” 記事となりますが、ちょうど二月前3月9日の日曜日にCharのライヴを観に行きました。地元広島のライヴハウスです。
ええと…前々回に書いたマイケル・シェンカーのライヴ鑑賞日記からずいぶん経ってしまいましたが、今回はその翌日の話です(笑)3月8~9日の土日にライヴハウス2連チャンを経験しました。こんなすし詰め鑑賞は初めてのことでした。マイケルの余韻に浸る間もなくってことですが、Charの予習も出来なかったってことです。
そのCharさんですが、70年代に日本の歌謡界で “ロック御三家” って呼ばれてた頃から好きで…もっともツイストも原田真二も同じく好きでしたが…、その後はピンク・クラウド時代がお気に入りでした。しかしそのわりにはこれまで一度もライヴに足を運んだことなかったんですよね。真のファンの方には申し訳ないのでファンだとは豪語しておりません(笑)
さて、Charのライヴを観るのも初めてなら、観た場所も地元ながら初めてのスポットでした。広島の宇品と言うところに数年前に出来た「BLUE LIVE 広島」と言うライヴハウスです。海に面した場所にあり、普段はジャズなどを聴きながら “でぃなぁ” を楽しめるようなオシャレな佇まいのハコで、自分は相当な場違い感がありました(笑)
土地感がイマイチだったこともあり、少し離れた波止場公園の有料駐車場に停め、早めに現地に向かいました。海岸沿いの堤防の歩道を歩いて行くと、開場時間30分前で建物の前は数十人の人が集まっていました。写真は日も暮れたライヴ終了後に写したものです。
最初はちらほらでしたが、開演時にはほぼ満員に埋まった客層は老若男女。前日のマイケル・シェンカーと同じく、世代的にはやはり40代前後が多かったようですが、若い女性も多かったかな。そこはさすがCharさんです(笑)
シアター形式で全席指定…指定席のライヴハウスなんて初めてでした。座席のレイアウトは横に大きく3ブロックに分かれていて、私の席は中央ブロックの前から10列目くらいだったと思います。ステージに向かってやや右寄りでした。前過ぎず後ろ過ぎず、自分には珍しくなかなかの良席(笑)
今回も場内は撮影禁止と言うことで、真面目な私は一枚も写真を写しておりません(笑)隣のブロックの人は堂々と(開演前ですが)写してたんですが、真面目な私は我慢しました(笑)
今回の「Char TRADROCK Tour」は全公演ライヴレコーディングし、CD化されると言うことでした。Charさんってこのあたりマメですよね。ご自身の記録としても残るでしょうし、ある意味海賊盤防止ってことにもなりそうです。記念に広島公演のCDを申し込んでおきました。1500円也。
自分が観たライヴの公式音源が入手できるってのは良いもんですね。「ライヴ終了後、約2週間でお届け」と言うことでしたが、約3週間後に自宅に届きました。いえいえ皮肉ってるわけではありません(笑)
この日は全部で30曲近くやってくれたと思うのですが、CDでは随分ハショられてます(笑)仕方ないことですが、各公演、何を基準に選曲されてるんでしょうか。個人的には収録して欲しかった曲が他にもたくさんあります。本当はこのライヴCD聴きながら鑑賞日記を書こうと思ってたんですけどね。要するに曲名が一致しないんです(笑)
そんなわけで、ライヴCDに収録されなかった曲については、なんとなくうろ覚えで、当然曲順なども適当に、当日ライヴ後にメモっておいたEvernoteを手掛かりに列挙していきたいと思います。
ほぼ定刻の17時半頃スタート。場内が暗転すると、Charさんとトリオ編成のメンバーが登場。ベースは澤田浩史さん、ドラムは古田たかしさん。このくらいの情報は事前に調べておきました。ただ私のよく知らない人たちでした(笑)そのプレイは感動するほど素晴らしかったですけど。
前半アコースティックセット、後半エレクトリックセットの2部構成…、こんなライヴは初めての体験です。そもそもアンプラグドなアコースティックライヴを観ることなんて中学生以来かも知れません。澤田さんのウッドベース型のベースも個人的には目新しかったです。
オープニングはアコースティックな [Shinin' You Shinin' Day]。なんだか印象が違って聴こえます。でもこれは間違いありません。サビでタイトル歌ってましたから(笑)コール&レスポンスで何度も何度も「ヘイヘイヘイヘイ」やらされました。ノッケから観客盛り立てますね。
ライヴ全体を通して観客との掛け合いは随所に出てきました。観客も参加するライヴの醍醐味ですよね。どの曲だったか忘れましたが、後方の観客を盛り立てるため、私の座席の列から後ろが立たされてコール&レスポンスの応酬と言う一幕もありました。私はCharさんの真正面だったもんで結構照れ臭かったです(笑)まぁ思いっきり声を張り上げましたけどね。
[Sunday Night To Monday Morning] も良かったです。運良く日曜日の夜だったんですよね。当然翌日は月曜日と言うことで。そのことには特に触れられなかったですけど(笑)
Charはそのバックグラウンドなどから洋楽テイストなロックギタリストのイメージがありますけど、歌自体は案外と純日本風だと思います。モロに70年代の日本人ロックの匂いがするんですよね。まぁ現にそうなんですけど(笑)[ふるえて眠れ] や [空模様のかげんが悪くなる前に] あたりをアコギで歌われると特にそう感じます。
特に後者などはやはりNSPの天野滋を思い出すことも理由のひとつかも知れません。NSPは70年代に流行ったフォークグループのことですが、当時大好きだったんですよ。残念ながら天野さんは10年以上前に亡くなりましたが、Charの初期アルバムでもいろいろ共作(作詞)してたんですよね。トークの中で天野滋の名前が出てきたんで思い出しました。
[My Friend] や [表参道] のような、これまた70年代のフォークソングを彷彿させる曲もCharの一面って気がします。大好きです。
「広島一番の繁華街ってどこ?」との問いに、広島県民の観客は「流川」と答えるも…、「あぁ流川…じゃあ原宿みたいなとこあるの?」との問いには広島県民一同「・・・・・」(笑)Charさんすかさず「じゃあそんな気持ちをこめて」と [表参道]。各公演地でお約束のやり取りなんでしょうね。残念ながら広島には原宿に相当する場所はないですね(笑)
そんな苦し紛れのご当地ネタはいろいろ搾り出してくれました。アコースティックバージョンの [My Favorite Things] では、「宮島行きたい」と言いつつ、「そうだ京都へ行こう」とか。苦しいですね(笑)このネタ、わかる人にしかわからないですよね(笑)私はかろうじて理解できました。
それから、アコースティックバージョンの [気絶するほど悩ましい] には鳥肌立ちました。「うまくゆ〜く〜恋なん〜て〜恋ぃじゃないぃ〜♪」ってとことか。私は昔からボサノバ風のアコギに弱いんです。オリジナルの歌謡ロックバージョンよりこっちの方が断然好みです。ギターソロもカッコいい。
アコギのソロを含むプレイを目の当たりに観て(聴いて)ると、やっぱり本物なんだなぁって納得してしまいます。大変失礼な言い方ですが、エフェクトかましたエレキに比べごまかし一切効かないですもんね。
前半最後の曲 [Zig Zag Zone] なんてその典型。聴き様によってはKISSの [Makin' Love] を思い浮かべるようなリフ…あ、私だけですか(笑)ギター、ベース、パーカッションとスリーピースのアンサンブル。難易度高いプレイですよね。ご本人自らそうおっしゃってましたもの(笑)
曲の最後で、Charさんが澤田さんにピックを投げてたようですが、うまくキャッチできたかどうか、ちょうど前の人の頭で見えませんでした。恒例なんでしょうか…、そうと知ってればしっかりチェックしたものを(笑)笑い声と拍手が沸き起こってましたけど、両方だから判断できません。
あ、そうそう、前日に観たマイケル・シェンカーの話題も出てました。「昨日マイケル・シェンカーが来たんだって?」「観に行った人?」との問いかけに、私はここぞとばかりに「はい!」と大きな声で挙手(笑)私も含めて3~4人程度だったかな。
前列あたりの男性との「どうだった?」「よかったです」のやり取りに「よかったのかぁ?」とCharさん不服そう(笑)次に向かって左手付近の女性に「どうだった?」「つまらなかった」。ここで一同拍手。こんな場合はしっかり空気を読まないとね、Charさんご機嫌でした。私はスルーされたんでちょっと不満でした(笑)「マイケル・シェンカーよりつまらなかったと言わせないように…」と良い切り返しです。
18時40分頃前半終了、ここで15分間の休憩。なかなか面白い構成です。
後半エレクトリックセットでは3人の出で立ちも違います。Charは白い衣装に後ろに長い2本の羽根が伸びた帽子で、ムスタングを抱えて登場。ピンク色だったからこれは「Pink Cloud」で呼んで良いんですよね。前半とは雰囲気ガラリと変わってまさにロックスターって印象です。
Charさんだけでなく、他の2人も同一人物だったとは驚きでした。澤田浩史さんと古田たかしさん。しっかりロックバンドに変貌を遂げてます(笑)すごいミュージシャンたちなんですね。
で、後半は [Why Aren't You Ready] でスタート。もちろんピンク・クラウドの曲。待ってましたと全員総立ちです。少なくとも私より前は全員だと思います。前半はオールシッティング状態だったもんで立ちたくてうずうずしてました(笑)このリフとこのリズム、それにこの音量、オープニングにはうってつけのナンバーですよね。野太いサウンドでした。
この後立て続けにノリノリのハードナンバーが続いたんですが、どうにも曲名が一致しません(苦笑)雰囲気からしてピンク・クラウド、もしくはジョニー・ルイス&チャーのナンバーだと思うのですが…。わかる人教えてください。と言っても手掛かりがないんじゃ答えようがありませんね(笑)
ライヴCDでカンニングしたところ、[Dazed (Dazed By Love)] って曲をやってました。アダルトな雰囲気の曲もすごく良いですね。ワウかましたソロなんか。ソロナンバーなのかピンク・クラウドなのか、スタジオバージョンを聴いてみたくて調べましたがよくわかりませんでした。
それから、[波] のイントロでのギターの爪弾き。このトーンとメロディは誰かの何かの曲に似てる気がしたのですが、思い出せません。そこからサンタナのようなむせび泣くようなギターになるところ、鳥肌が立ちました。
ここからツアー名にもなっている「TRADROCK」のコーナーです。Charがリスペクトするギタリストやバンドの曲をスタジオで一発撮りした2010年リリースのカバー集シリーズのことですよね。そのレコーディングメンバーがそのまま今回ツアーのメンバーと言うことなので、このコーナーがツアーのハイライトなのは間違いないでしょう。実はここが一番楽しみでした。
そのシリーズは『Eric』、『Jeff』、『The B』、『The V』、『Jimmy』、『Jimi』 となっています。まぁ言わずもがなでしょうけど念のため、それぞれ、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ザ・ビートルズ、ザ・ベンチャーズ、ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)、ジミ・ヘンドリックスのことです。「B」と「V」は少々わかりずらいですけど。
いつの間にかストラトに持ち替えてました。照明の関係もあり、自信はないんですが、ピンク色っぽいストラトだった気がします。先日、熱心なCharファンのTwitterフォロワーさんに教えてもらったんですが、特別仕様の「バーガンディーミスト」ではないかと言うことでした。ピンクと言うより薄紫色ですね。もちろんフェンダーです。長らく眠ってたのを最近また使い始めたそうで。
Charファンにとっては常識なのかも知れませんね。私はファンとは豪語しておりませんので…しつこい(笑)でも2回目以降は冷静に観れると思うので、そんなとこをしっかり観るってのも楽しみの一つになりますね。
まずは 『The B』 より [Ticket To Ride]。「涙の乗車券」ですね。でもアレンジは、ビートルズそのものではなく、ヴァニラ・ファッジのバージョンそのまんまでした(キーボード抜きですけど)。60年代アメリカのサイケデリック系ヘヴィロックバンド。Charいわく、生まれて初めて買ったロックのアルバムが、ヴァニラ・ファッジのデビューアルバム 『Keep Me Hanging On』 だったそうで、そこに収録されてるカバーバージョンです。
ヴァニラ・ファッジと言えば、Charがリスペクトしてやまないジェフ・ベックが、70年代に組んでいたBBA(ベック・ボガート&アピス)のBさんとAさんが在籍していたバンドです(笑)そのBA両氏とCharが一緒に日本ツアーをした経緯もありますね。CBAでしたか…なかなか不評なツアーだったようで(笑)ティム・ボガートとカーマイン・アピスとのエピソードもなにやら茶化して話してました。今となっては笑い話と化してるのでしょうね(笑)
「ヴァニラ・ファッジって知ってる?」って問われた時に、自慢じゃないけど知ってた私は(笑)即座に「キープ・ミー・ハンギング・オン!」と答えようとしたんですが、いきなり演奏始められたんであえなく撃沈。「キー!」とだけ声が漏れたかも知れません(笑)
やってくれたんですよね、その [Keep Me Hanging On]…途中まででしたが。さらにはシュープリームス(ダイアナ・ロスね)のオリジナルバージョンや、ビートルズのオリジナル「涙の乗車券」まで…それぞれほんのさわりだけでしたが。
順不同となりますが、エリック・クラプトン(クリーム)の [Sunshine Of Your Love]。クラプトンは [Badge] か [White Room] が聴きたかったのでちょいと残念でした。それからリクエストによりジミ・ヘンドリックスの [Little Wing]。イントロからドラムが「タン、タタタタダーン」と入るところまでで終了(笑)
会場から「羽生くん!」のリクエスト(笑)今流行りの「パリの散歩道」のことなんでしょうけど、さすがにゲイリー・ムーアはやらないでしょう。「代わりにこれはどう?」ってことで、サンタナの [Europa] を1コーラス程度やってくれました。「哀愁のヨーロッパ」ですね。アドリブでさらりとやってのけるCharもすごいけど、全て即座に合わせられるドラム&ベースもすごいと思いました。
それからジェフ・ベックの [Jeff's Boogie]。これは全くの予想外でしたが良かったです。曲中のブレイクポイントで、残念ながら今回やってくれなかったレッド・ツェッペリンの「天国への階段」のアルペジオや、「移民の歌」のリフなどがインサート。「クロスロード」のリフも入ってたかな。ついでになぜか「水戸黄門」、「人生楽ありゃ苦もあるさ~♪」ってやつ(笑)
あと、想像以上にベンチャーズが良かったです。[Walk Don't Run(急がば廻れ)]、[Slaughter on 10th Avenue(十番街の殺人)]、それから [Pipeline] と3曲もやってくれました。「十番街の殺人」、私も幼少の頃から大好きな曲なんですよ。[Pipeline] では演奏中、最前列の観客がピックを渡され、「じゃら~ん」とコードを弾かせてもらってました。羨ましいです(笑)
「TRADROCK」のコーナーも終わり、エンディングに向けてまっしぐら(笑)ギターもトレードマークのムスタングに持ち替えてました。ムスタング?マスタング?私は前者の方が馴染みあるんでそちらで。
今回のライヴで初めて聴いてお気に入りになったのが、[Anytime]。自然と体がくねくね動いてました(笑)このグルーヴ感最高ですね。ここでもコール&レスポンスの応酬…「たいたいたぁ~いむ♪」。タイトルは後で調べたのですが、もともとはアコースティック・デュオのBAHOでやってた曲だったんですね。
本編最後は [Tokyo Night] 改め「Hiroshima Night」(笑)公演場所によってその地名に換えて歌ってくれるんですね。これは嬉しいことです。途中、「Hiroshima Night♪」の掛け合いあり、「ひぃ〜ろしまないっ♪だよ。3連だからね!」なんて(笑)最後は「いい街じゃけんのぉ、今日も飲みに行くか」なんて広島弁で。ベタじゃけど最高じゃった(笑)
アンコールは大好きな2曲、[からまわり] と [Smoky]。今更言わずもがなってことであれこれ書かないことにします(笑)とにかくこの2曲はバンドアンサンブルがカッコいいですね。デカい生音で聴けて満足でした。事前に仕入れてた情報では [からまわり] の前にジミヘンの「紫の煙」をメドレー形式でやってたと思いましたが、今回それはなかったようでちょいと残念でした。
期待してた [Drive Me Nuts] をやってくれなかったのも残念でした。会場からのリクエストはあったものの、「難しいんだよね。俺は弾けるんだけど他の2人がね、バイト(契約社員だったかな?)だから」とのこと。ホントかなぁ(笑)
最後は「広島、また呼んでください」でした。こちらこそ是非またいらしてください(笑)とにかく前日のことを忘れるほど楽しかったですし、次回からは必ず観に行こうと思いました。
とにかくCharさんは歌や演奏もさることながら、トークが面白いですね。フジテレビのスカパーでやってた「Char meets ○○」って番組でそのことはよく知ってたのですが、ステージでも本当に気さくに雑談するんですよね。少々口は悪いですけど。場内は和気あいあい、客の盛り上げ方が相当上手いと思いました。
ただ、観客相手にと言うよりも(もちろんそれもありますが)なんとなく深夜ラジオのDJみたいな感じ。わかる人にはわかってもらえると思いますが、構成作家相手におしゃべりするアレですね(笑)例えば、軽く毒舌を吐いた時、あたかもそれを澤田さんが言ってたようなフリをするとか(笑)
計3時間にも及ぶライヴでしたが、あっと言う間でした。土曜の2時間に引き続き、今回も後半2時間オールスタンディング、外は寒かったにも関わらず汗だくになり、翌日は首やら腰やら脚やらに心地良い疲労感(笑)
ええと…、ライヴ鑑賞日記、残りあと3本(苦笑)
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