ヘビロテ日記 第13回 『KISS - Monster』
モンスター ~地獄の獣神 / キッス
2012年
01. Hell or Hallelujah
02. Wall of Sound
03. Freak
04. Back to the Stone Age
05. Shout Mercy
06. Long Way Down
07. Eat Your Heart Out
08. The Devil Is Me
09. Outta This World
10. All for the Love of Rock & Roll
11. Take Me Down Below
12. Last Chance
当ブログのメインである「ヘビロテ日記」。「日記」と言いながらもなかなかプライベートな時間がとれずで、更新に結構時間かかったりするわけですけども。一応、毎晩帰宅時の車の中ではしっかりアルバム聴いて、その時思ったことを随時書き留めておくことは、なんとか習慣づいてきてるんで、一応「日記」でもいいかと。アルバム3枚をローテーションしながら雑多にメモっておいて、溜まったものからまとめあげて、余裕のある時にアップしてます。
メモと言っても結構な量だったりして、また同じ曲でも日々の心境や気分によっても受けとる印象が違ったりして。つじつま合わせとかまとめるのは結構大変だったりします。それが「新譜」だったりするとなおさらです。第一印象のメモと数回聴き込んだ後のメモとでは全く違ってたりします。もともと文才がないやつがこんなことやってるもんで、どうしても長文乱文になってしまうんです。そんなところからブログタイトルは「無駄話」なんですね(笑)
と言うわけで、今回は私にとっては久々の…本当に久しぶりの「新譜」をヘビロテさせてます。もちろん待ちに待ったKISSの新譜です。CDが届いてからほとんどこれメインで聴いていたので、10回以上は通して聴いてると思います。もはや最初のメモは使い物になりません(笑)
さて、3年ぶりのKISSの新作 『Monster(モンスター ~地獄の獣神)』 ですが、久々に日本盤が発売され、邦題に「地獄」が冠せられました(これもまた久々…ただしベスト盤は除く)。かつて「地獄」シリーズに慣れ親しんだ日本人ファンとしては、やはりKISSのアルバムにこれが付くと落ち着きます(笑) インポート盤に比べて高価なんですが、そんなわけで今回は日本盤を購入しました。本当のことです(笑)
先行シングルの 『Hell or Hallelujah』 は、結構早いうちからネットでの試聴が可能になっていました。今回は購入前に試聴をしないと心に決めていたのですが、KISSファン仲間のfacebookやネット上の話題を読んだりして、居ても立ってもいられず、つい再生ボタンをポチッとしてしまいました。その時はノートPCのしょぼいスピーカーで聴いたため、たしかに「お!」とは思いましたが、音の迫力も伝わってこず、リズムなんかもなんとなく掴みどころがない印象がありました。期待度があまりにも高かったからか「思ったほど…」と言うのがその時の正直な感想でした。
しかし、実際にCDを購入して車の中で大音量でヘビロテを開始すると印象はガラリと変わりました。1曲目 『Hell or Hallelujah』 のイントロは、『I Stole Your Love』 や 『Makin' Love』 あたりを彷彿させるギターリフで、ジミー・ペイジにインスパイアされたような変なリフをカッコよく聴かせるタイプの初期KISSのイメージそのものでした。曲構成もそう。エンディングなんて 『I Stole Your Love』 のライヴバージョン仕立てで、私だけでなく古くからのKISSファンはおそらくニンマリしたと思います。
このまま70年代KISSテイストの曲が続くと思いきや、2曲目以降はちょっと毛色が違ってました。それを期待しすぎたためか、最初に聴いた時は2曲目以降の流れにいまいちピンときませんでした。ちょうど半分を過ぎた7曲目あたりから突如聴きやすくなってきて、私が期待していた音は、後半トラックに集中していることに気が付きました。
6曲目の 『Long Way Down』 は、個人的にアルバム中一番パッとしない第一印象だったので、この次の7曲目 『Eat Your Heart Out』 で目が覚めた感があったのかも知れません。アカペラで始まるキャッチーなこの曲は、まさにクラシックKISSの様相で、この曲から期待通りのアルバムが始まったと思ったものでした。
続く8曲目 『The Devil Is Me』、「Devil」と言えば当然ジーン・シモンズです(正確にはDemon)。かねてからジーンの代名詞となっている 『God of Thunder』 と言ういかにもな曲は、実はポール・スタンレーが作ってるんですよね。この曲もジーンのみでなく、ポール(とトミー)との共作です。90年代のヘヴィネスなKISSのイメージもありますが、リズムや曲調には初期の雰囲気も多分に含まれてる気がします。
トミー・セイヤーが歌う9曲目 『Outta This World』 はトミー自身の単独作です。本作ではほとんどの曲でトミーが共作していますが、この曲も手放しでカッコいいです。歌もなかなかうまい…ちょっとびっくりしました。ブラック・アンド・ブルー時代はソロでは歌ってなかったと思います。歌声(歌い方かな)も文節ごとの音の延ばし方や区切り方がエース・フレーリーっぽくて嬉しくなります。ギターは前作では意図的にエース風のフレーズを弾いていたと思いますが、本作ではしっかりそれを消化して「KISSのトミー・セイヤー」として演奏している点が印象的です。